戦後の高度経済成長の過程で、農村では労働力が都市に流出し、過疎化や農林地の荒廃が進んだ。さらに都市への資本集中により都市と農村の格差が広がる中で相互扶助的な集落の機能が低下し、その持続性も問題になってきた。しかし、近年になってこれまで対立的に描かれることの多かった都市と農村の関係に変化が生まれている。各地に拡がりをみせてきた都市農村交流の取組みはさまざまな形で定着しており、近年では、「田園回帰」や「関係人口」と称される農業や農村の暮らしにに新たな価値を見いだそうとする若者も現れてきた。
本講義では、現在の日本農業・農村の問題状況をふまえ、都市農村交流を推進してきた政策の流れを理解し、欧州の事例とも比較しながら日本型グリーンツーリズムの多様な形態や企業のワ―ケーション、田園回帰、関係人口などライフスタイルにも関係する最近の交流形態を事例研究する。
また、農村で行われている地域づくりの取組みを紹介します。現場での実践で学びを深めたいと考える方の参加を歓迎します。